2017年12月05日

技法的な展開が統一されていないのが最も大きな特徴である

 各登場人物や風景など構成要素を素描や習作などで各々別々に制作した後、それらを形態的・色彩的に入念に再構築・再構成して完成させられた本作は、『グランド・ジャット島の日曜日の午後』とは異なり、技法的な展開が統一されていないのが最も大きな特徴である。

 画面中央の男に代表される主要人物の表現には、やや筆触を抑えた表面の滑らかな(アカデミック的技法に通じる)描写が用いられ、セーヌ河水面の描写や草々が生える陸地の表現には、印象主義的な技法が顕著に示されている。

 さらに水面と陸地の描写にも差異が明確であり、前者は典型的な印象主義的技法で描写されるのに対し、後者は斜めの筆致も認められるよう、より画家の独自的描写手法が用いられている。

 なおスーラは本作を制作するにあたり数多くの習作(油彩で約10点)や素描(15点)を手がけており、シカゴ美術館には最終的な習作とされる『アニエールの水浴』が所蔵されている。
技法的な展開が統一されていないのが最も大きな特徴である



Posted by 集中 at 12:18│Comments(0)
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